寛解を目指す関節リウマチ治療を行っています
関節リウマチは新しい治療薬の登場と治療法の進歩によって、寛解できる方が増加しています。寛解は、薬による治療を続けながら症状のない良好な状態を維持できている状態のことです。治癒・根治と違い、通院と治療は引き続き必要ですが、痛みなどがなく、関節破壊を進行させないようにすることで、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)が向上できます。
当院では、関節リウマチの寛解を目指す治療を日本リウマチ学会の専門医・指導医である院長が行っています。関節リウマチは丁寧な問診や触診が適切な治療には欠かせない疾患ですから、患者様のお話をしっかりうかがうことを基本に、状態に合わせた適切な治療を行い、痛みなどをできるだけ早く解消できるようにしています。状態や治療の選択肢などに関しても、できるだけわかりやすい説明を心がけていますので、どんなことでもご質問ください。
なお、高度な検査や治療が必要な場合には、信頼できる大学病院などをご紹介して連携した治療を行っています。ご不安や疑問などにも丁寧にお答えしていますので、お悩みがありましたらご相談ください。
関節リウマチとは
ウイルスや細菌などの異物が侵入した際にそれを排除する免疫が、ご自分の手足の関節などを攻撃してしまうことで関節の腫れや痛み、動かしにくさを起こす病気です。適切な治療を行わないと関節が破壊されて変形し、手指などをうまく動かせなくなって、日常生活に大きな支障を及ぼしてしまいます。手指や足に症状を起こすことが多いのですが、全身疾患ですから膝や首などの関節に症状を起こすこともあります。また、疲れやすさや体重減少などを起こすこともあります。まれに血管炎などを起こし、発熱、皮膚症状、神経炎、梗塞などを起こすこともあります。
関節リウマチのリスク
発症が多いのは、30歳代から50歳代で、男女比でみると男性1に対して女性4とされています。はっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝的素因に感染症などをはじめとした要因が影響して発症すると考えられています。
診断について
問診、触診、痛みなど症状のある関節の数、血液検査、X線検査、超音波(エコー)検査などを行った上で、総合的に判断して診断されます。血液検査ではリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体という血清学的検査、炎症の有無や状態を調べるCRPまたは赤沈を確認します。こうした検査で関節リウマチの可能性が高く、それ以外の疾患ではないことを確かめた上で診断されます。血清学的検査は早期発見に役立つこともありますが、陰性でも関節リウマチと診断されることがあります。
治療について
関節リウマチは関節や骨が破壊・変形してしまう病気ですから、抗リウマチ薬で破壊や変形の進行を止めることが重要です。現在は効果的な治療薬や治療法が登場していますので、破壊や変形を進ませないためにもできるだけ早く適切な治療を受けてください。また、タイミングを見極めて生物学的製剤を使用することで効果的に炎症を鎮めることができるようになってきています。
寛解を目指す治療は、痛みを抑える臨床的寛解、関節などの壊れ方を抑える構造的寛解、日常生活を普通に送ることができる機能的寛解に分けられます。当院では患者様とご相談しながら治療目標を決め、定期的に検査をして治療効果や副作用の有無をしっかり確かめ、常に最適な治療を提供して1日も早く寛解につながるようにしています。
